法律学研究支援室

判例 H13.10.25 第一小法廷・判決 平成13(受)91 配当異議事件(第55巻6号975頁)

判示事項:  抵当権に基づき物上代位権を行使する者が債権差押事件に配当要求することにより優先弁済を受けることの可否

要旨:
  抵当権に基づき物上代位権を行使する債権者は,他の債権者による債権差押事件に配当要求をすることによって優先弁済を受けることはできない。

参照・法条:  民法304条,民法372条,民事執行法154条,民事執行法193条1項

内容:
件名  配当異議事件 (最高裁判所 平成13(受)91 第一小法廷・判決 棄却)
原審  H12.10.25 東京高等裁判所 (平成12(ネ)3140)

主    文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。

理    由

 上告代理人吉田忠子,同根本良介の上告受理申立て理由について

 【要旨】抵当権に基づき物上代位権を行使する債権者は,他の債権者による債権差押事件に配当要求をすることによって優先弁済を受けることはできないと解するのが相当である。けだし,民法372条において準用する同法304条1項ただし書の「差押」に配当要求を含むものと解することはできず,民事執行法154条及び同法193条1項は抵当権に基づき物上代位権を行使する債権者が配当要求をすることは予定していないからである。

 これと同旨の見解に基づき本件配当表の変更を求める被上告人の本訴請求を理由があるとした原審の判断は,正当として是認することができ,原判決に所論の違法はない。論旨は採用することができない。

 よって,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 藤井正雄 裁判官 井嶋一友 裁判官 町田 顯 裁判官 深澤武久)

この判例に関する評釈

ジュリスト1263号170頁(2004年)

特に指定がないものは、最高裁判所判決です。
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