法律学研究支援室


訴因
 訴因とは、当事者たる検察官が、公訴を提起するにあたり、起訴状に明記すべき主張であって、法的、具体的事実を特定して記載されるべき犯罪の嫌疑である。
 訴因は、検察官の主張であるから、以後の訴訟手続においては、この申し立てられた主張を立証しなければならない。これを検察官の挙証責任というが、挙証責任を果たすべき程度は「無罪の推定」を破る立証、すなわち、「合理的な疑いを超えた立証」が求められる。
 この訴因は、裁判官の審理および判決の範囲を拘束する。裁判官は、検察官が主張する訴因事実を逸脱した認定をすることは許されない。このことは刑訴法378条3項が明記するところである。
 さらに、検察官の主張たる訴因は、被告人の防御の範囲を明確にすることによって、被告人が審理において不意打ちを受けないことを保障している。また、その範囲において集中して準備を行うことができるのである。
 このように訴因は、当事者たる検察官の貴重でとともに、その範囲に裁判官の審理判決を拘束するのであるから、訴因は、当事者主義訴訟構造を決定する重要な機能を持つとともに、訴えていないことには審理がないという不告不理の原則が妥当となる。
 審理の過程で事実が変われば、訴因は変更される。ただし、訴因は公訴事実の同一性を害さない程度においてのみ変更する事ができる。訴因の変更とは、当事者たる検察官が審理において、その時点の証拠との関連から、訴因として記載された事実と公訴事実とを同一にする範囲内において変更する事、すなわち、審理の対象を変更する事である。訴因変更の可能な範囲は、判例のとる「基本事実同一説」と学説のとる「訴因と訴因の比較」がある。「基本事実同一説」は、同じことのついての判断、つまり、共通する基本的事実があるかどうかで(訴因変更が可能かどうかを)判断する考え方である。いっぽう、「訴因と訴因の比較」は、同じ場所で審理を両方行えるかで判断する考え方である。

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