法律学研究支援室


解雇
 民法627条は、退職・解雇自由の原則を定める。しかし、労働法は、法律上、退職の自由については制限していないが、解雇の自由にはいくつかの制限を設けている。解雇の時期についての制限(労基法19条)、解雇の手続についての制限(同20条・21条)、差別禁止(同3条)などがある。また、正当な組合活動を理由とする不利益取扱を禁止する労組法7条も解雇制限の重要な規定であるといえる。
 では、右法令などによる制限に違反しないかぎり使用者は労働者を自由に解雇できるのだろうか。
 この点、解雇の自由は資本主義生産体制を支える不可欠の基本原則であって、法令による制限を除けば何らの制約も加えられないとする見解がある(解雇自由説)。しかし、終身雇用制度が根強く残るわが国において、労働者にとって解雇は非常に過大な負担となるし、また、安易な解雇による事業建て直しにより経営責任があいまいとなるおそれが強く、支持できない。
 思うに、解雇事由がある場合においても、使用者は常に労働者を解雇しうるものではなく、当該具体的な事情の下において解雇に処することが著しく不合理であり、社会通念上相当なものとして是認することができない時には、当該解雇の意思表示は、解雇権の濫用として無効となると解する(判例同旨)。
 特に、企業側の事情によって解雇をする場合(整理解雇)には、人員削減の必要性、解雇回避の努力、人選の相当性、労働組合等との協議・説明の程度を検討して、慎重に解雇権濫用に当るかを判断すべきである。
 ただし、解雇権濫用による規制は、それ程厳格になされるべきではない。なぜなら、ある程度終身雇用制は後退しているし、人員整理の必要性に関しては、経営者がその責任において判断すべき事項であり、会社経営に責任を持たない裁判所の判断はできるだけ限定的であるべきだからである。そして、解雇回避努力が不十分であったとしても、金銭補償が十分なされればそれほど不合理な結果にはならないからである。

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