法律学研究支援室

全文
事件番号 平成18(し)82
事件名 再審請求棄却決定に対する即時抗告棄却決定に対する即時抗告棄却決定に対する特別抗告事件
裁判年月日 平成18年04月24日
法廷名 最高裁判所第三小法廷
裁判種別 決定
結果 棄却
判例集巻・号・頁
原審裁判所名 大阪高等裁判所??
原審事件番号 平成18(く)50
原審裁判年月日 平成18年02月23日
判示事項
裁判要旨 即時抗告の申立てを受理した裁判所は,刑訴法375条を類推適用してその申立てを自ら棄却することはできない。
参照法条
全文

主文

本件抗告を棄却する。

理由

本件抗告の趣意は,違憲をいう点を含め,実質は単なる法令違反の主張であって,刑訴法433条の抗告理由に当たらない。
1 なお,職権により調査すると,記録によれば,本件の経過は次のとおりと認められる。
(1) 申立人は,昭和57年7月に確定した覚せい剤取締法違反被告事件の有罪判決につき,平成17年9月になって和歌山地方裁判所に再審請求を申し立てたが,同裁判所は,平成18年1月12日,再審請求に理由がないとしてこれを棄却する決定をし(再審請求棄却決定),この決定は,同月13日,申立人に送達された。
申立人は,即時抗告を申し立てた(原々申立て)が,この即時抗告申立書が上記裁判所に到達したのは,即時抗告提起期間経過後の同月17日であった。
(2) 申立書の提出を受けた同裁判所は,同月18日,即時抗告提起期間経過後のものであることが明らかであるとして,刑訴法375条の類推適用によりこれを棄却した(原々決定)。
(3) 申立人は,原々決定に対し,更に即時抗告を申し立てた(原申立て)が,大阪高等裁判所は,同年2月23日,原々申立ては再審請求棄却決定に対する即時抗告提起期間経過後のもので,これを争う原申立ては理由がないとして,この即時抗告を棄却した(原決定)。
(4) 申立人は,原決定に対し,法定の期間内に本件抗告を申し立てた。
2 抗告については,控訴に関する刑訴法375条に相応する規定がなく,即時抗告の申立てを受理した裁判所が,同条を類推適用してその申立てを自ら棄却することはできないと解するのが相当である。
そうすると,同条により原々申立てを棄却した原々決定及びこれを維持した原決定は,法令の解釈適用を誤った違法があるといわざるを得ない。
しかしながら,上記のとおり,原々申立ては再審請求棄却決定に対する即時抗告提起期間経過後のものであることが明らかであって,これを抗告裁判所で採り上げても,不適法なものとして棄却を免れないことにかんがみると,前記の違法があっても,原決定及び原々決定を取り消さなければ著しく正義に反するとまでは認められない。
よって,同法434条,426条1項により,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり決定する。
(裁判長裁判官 濱田邦夫 裁判官 上田豊三 裁判官 藤田宙靖 裁判官堀籠幸男)

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